「今の感情を表現してください」と言われたら、皆さんはどのように表現をしますか?

大人であれば言葉にして表現することができるでしょう。

しかし、言葉の発達が不十分な子どもが言葉で表現することは難しいと思います。

感情を伝えたいけど言葉にできない、言葉にしたけど伝わらない経験がストレスとなっていきます。

そのストレスが原因で爪噛みや癇癪、不登校となって表れることがあります。

では、ストレスを解消するためにはどうしたら良いのでしょうか。

生活環境の改善を試みたり、場合によっては服薬を勧めたりします。

また、子どもの様子を見て心理療法が行われることもあります。

心理療法と言われると、カウンセリングを思い浮かべる方が多いと思います。カウンセリングだと言葉を必要としますが、言葉を必要としない心理療法も存在します。

子どもの感情は遊びとして表現され、遊びは言葉に代わる役割を果たすと言われています。

そのため、遊びを通して感情を表現する心理療法の1つに箱庭療法が挙げられます。

箱庭療法とは、高さ7㎝・横72㎝・縦57㎝の木箱の中に砂が敷かれ、人形や動物などを好きなように配置したり、山や川を作ったりして自分の感情を箱庭の中に表現することができます。

心の中にあるもやもやした気持ちや何となく嫌な感じといった言葉にできない感情を表現することでき、その感情に触れていくことで自身の抱いている感情に気づくことができます。

感情を表現していくことで子どもに現れている症状が軽減していき、後に改善した事例もあります。

今、お子さんに表れている様々な症状や気になる行動を”心のサイン”と捉えてみると良いのかもしれません。

ベルアージュ 公認心理師 石川 千尋