遊びが子どもの発達にどれほど有効かについては、体を使う遊びを例にすると分かりやすいと思います。

かけっこは足腰や機敏性を鍛え、鉄棒は上半身の機能を高めることができます。では、知能の発達を促す遊びについてはどうでしょうか。

初めからルールが決められた遊びより、ごっこ遊びの方が発達を促すと考えられています。

ごっこ遊びをすると想像力とコミュニケーション能力が身につくと言われています。

段ボールを家に見立てたり、リモコンをスマートフォンにしたり、身近なものを何かに例えて自由に遊ばせることで、試行錯誤しながら新しい使用法を思いつくようになります。

用意されるものがシンプルであればあるほど、子どもは自分なりに考えて遊び始めるため想像力を培うことができると言われています。

また、ごっこ遊びを始める前に誰がどんな役をするのか、どのような場面にするのかなど、相手と話し合いながら決める必要があります。

相手の言動や表情から気持ちを読み取り、自分の発言や振る舞いを考える力が求められます。

他者になりきるということは他者の立場になって考えないといけないため、多くのやりとりを通して社会生活に必要なコミュニケーション能力を高めていけると言われています。    

ごっこ遊びは幼児期によく遊んだと思いますが、小学生になっても人気の遊びです。

ごっこ遊びに誘われた際は、恥ずかしがらずその世界観に入り込むことがお子さんの成長に繋がるかもしれません。

ベルアージュ 公認心理師 石川 千尋