「はれのいえ」の作業療法士 中 正憲です。
今回は、自己肯定感に関する本をついて、2冊ご紹介したいと思います。
1冊目は、キューリング恵美子著の“ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか”(小学館新書)です。
“日本人の著者がドイツに住み、ストレスフリーの生活の極意を解き明かす”という視点で書かれてある内容で、ドイツ人の様々な日常が紹介されています。
ドイツ人の女性は街中や職場など、場所を問わずノーメイクの方が多かったり、職場では上司や同僚に気を遣うことなく、長期休暇を取っていること等が挙げられています。
この二つの行動の共通点は、「ドイツ人は他人からどう見られているかを基準としない」ということです。
他人に左右されない、「ありのままの姿勢」を重視する視点から自己肯定感の高さが伺えます。
2冊目は、辻修一著の“自己肯定感ハラスメント(フォレスト出版)”です。
まず、この題名に衝撃を受けました。
この著者はメンタルトレーニング専門の医師です。辻氏は自己肯定感について、「やみくもに自己肯定感を上げることが絶対にいいこと」という空気が日本社会に蔓延した結果、「自己肯定感アップ=正義」というような間違った構図ができあがり、そのギャップに苦しむ人が急増したことを指摘しています。
本には「ありのままの姿勢」から離れてしまっている現状の紹介とともに、「自己肯定感」ではなく、「自己存在感」の重要性が述べられています。
今回、ご紹介した2冊は、「自己肯定感」を全く別の視点から捉え、解説しています。
一つの事象は、多面的に捉えてこそ、正しく深く理解することができます。
自己肯定感に対する正しい理解は、今後の私たちの生き方にも影響します。1冊目には、ドイツ流の子育て術なども掲載されていました。
子どもとの良好な関係を築くヒントが得られるかもしれません。気になられた方は、ぜひ、読んでみてください。
※上記文章は、各本の内容に自己解釈を加えて記載しております。その点、ご了承下さい。
ベルアージュ 作業療法士 中 正憲