多くの子どもたちや大人も含めて付き合う中で、『0か100かで生きててしんどくないかな』と感じることが多くあります。

20年前、精神科に努めている際に、入院しているある子の目標が『「まっいいか」と言えるようになる』だったのを見て驚いたことがあるのですが、それが大事だということに何年もかかって理解できました。

『いい加減』ってその人その人で違うもので、ことばで表現するのが難しいですよね。

でもまずは、自分にとっての『良い加減』を知ることからだと思います。

大人にも難しい、目に見えないこの『加減』

子どもたちにはどうしていったらいいのか・・・

のりは、最近スティックタイプになっていて扱いやすいですが、ボンドを使う時には、紙に丸印を書いて、その中に出してから使う。絵の具とかもそうですよね。大人側が、「ここをくっつけるためには、このくらいのボンドが必要だよね」「これを塗るためには、このくらいの絵の具があったらできるね」と、ことばがけと一緒に、枠組みがあった方が楽だと言う経験をしてもらう。

どのくらいの『加減』が自分にとって『楽』なのかを知ることが、大人になっての相手とのコミュニケーションにも大事になってきます。

自分の『楽なコミュニケーションの領域』を知っておけば、

0か100ではなくて、自分から引いて50の関係、

ちょっと近づいて75くらいの関係が、自分で行動できるようになります。

『いいかげん』ってマイナスイメージでとらえがちですが、

『良い加減』としてとらえると、自分を知ること、

いいコミュニケーションを築くことにもつながってきます。

ベルアージュ 専門職マネジャー 竹野 達子