日本は古くから“言わなくても分かる”という意識を持つ人が多く、

分かっていること・言わなくても良いことをわざわざ言葉にしない傾向にあります。

そのため、テレビを見ているときに「あれ取って」と言われると、

“あれ”はリモコンを指していると理解することができるのです。

しかし、言葉でコミュニケーションをとらなければすれ違い、放置すれば不登校やひきこもりなど様々なトラブルの原因となることがあります。

 子どもが生まれてすぐは日常会話を楽しめたり、一緒にご飯を食べたりしてコミュニケーションがとれていても、

子どもが成長するとともに仕事で帰りが遅くなり、起きてから寝るまでバタバタして会話の時間がとれない毎日を過ごしている方も多いのではないでしょうか。

家族のコミュニケーション不足は子どもの心身の成長にも影響すると言われています。

子どもが友達と上手くコミュニケーションがとれるようになるためには、家族での会話がとても大切になってきます。 

では、忙しい毎日にどうやったらコミュニケーションをとる時間が生まれるでしょうか。

家族でのコミュニケーション習慣として、「おはよう」や「おやすみ」の挨拶をする、家族で集まり1日の出来事を5分間だけ話してみる、といったことができるかもしれません。

その中で目を見て挨拶をしたり、否定せず興味を持って話を聞いたりしましょう。

嫌だった気持ちや嬉しかった気持ちを話し、気持ちを受け止めてもらった経験が多いと相手の気持ちに共感する心が育まれやすくなると言われています。

 コミュニケーション習慣をとることで、今しか聞けない話、今だから見られる表情を楽しむことができるかもしれません。

ベルアージュ 公認心理師 石川 千尋