言語聴覚障害をもとに、にじのいえで機能訓練および発達学習支援を始めて1年になりました。
多くのかたが 「機能訓練や発達学習支援って、どんなことをしてるの?」と思われているかもしれませんね。
数年前に、学習障害(LD;learning disabilities)が疑われる、当時、小学校4年生のお子さんに出会ったことが 「学習支援に従事したい」というきっかけとなりました。
彼は、漢字の「読み・書き」が困難で、算数では「計算する」力ありますが文章問題は解けません。
また、職員の指示の理解やトークンゲームの応答が遅延したり再 質問を要求するといったことが見受けられました。
一般的にLDに対する言語療法は言語聴覚士(ST)による「読 み書き」の評価と指導が中心となります。
当時、私は小児の臨床経験はほとんどなく、できることといえば、観察することのほか、僅かに所有する簡易な言語検査くらいです。
これも改めて勉強するきっかけになりました。 その後、最初の訓練としては「書字の改善」を目標にして、文字数字をカラーマスノートに視写することで徐々に枠からはみ出す文字は減少し、形の崩れも改善してきました。
それから「本に親しむ」を目標にしました。錯視の実験や動物の走る速さ、食事量の比較など記載されている同じ本ばかり眺めているので、単元ごとに簡単な感想を書くよう促しましたが、読んだ箇所を記しただけのものでした。
また、ある落語絵本を紹介し、一緒に読んだり音読するうちに、語句の意味を質問するなど、そのシリーズの本を進んで手にするようになりました。
しかし、このような対処的な訓練・指導では不器用さが改善したにすぎず、漢字の読みや書き取りができるように なったわけではありません。
彼のほかにも「読み書き」に問題がある子どもたちがいましたが、個別に深く介入することは残念ながら叶いませんでした。
やみくもに訓練や支援を繰り返さないためにも適切な検査・評価をしなければなりません。
学習支援においては、ようやく「読み書き」のアセスメントテストを準備することができました。
標準化された検査の施行ととも に、改善へのお手伝いができることを望んでいます。
次回からは、言語聴覚障害および発達学習支援の内容などをお伝えしたいと考えております。
ベルアージュ 言語聴覚士 正原 勇治