子どもとのつき合い方(12)

 

我慢を教える


前にもお話ししましたが、子どもが我慢することを躾の一つの目標とするとき、基本的には家庭のルールを心のなかに定着させることになります。

当初は指示的、外発的であっても、それは強制的ではなく信頼的、内発的な学習を通して有効になります。

カッとなる気持ちの後に時間的隙間を作ります。

生活の知恵として知られていることとして、数を数える、歯を噛みしめる、握りこぶしを作る、深呼吸をする、水を飲む、部屋にこもる、速く歩く、大声で叫ぶ、歌を歌う、独り言を言う等々です。

これらは社会的に許容される表現として、怒り行動に置き換わるものです。

以下に、感情的な怒りのコントロールについて、いくつかの手だてを述べます。

ただその前に、感情的怒りに本当に子どもが深刻な問題を持っているかどうかを確かめてください。

というのは「怒り」は必ずしもマイナスのものだけではないからです。

それはプラス面として意欲や行動の推進力にもなります。

もし限定的に家庭や学校などの特定の場面だけで問題になっているとすれば、まず家族関係や仲間関係を見直すことも必要かもしれません。

思春期の反抗的な心、人間関係の深刻な心のすれ違いが隠されているかもしれません。

この場合は、まず親子間のコミュニケーションを改善することが大切です。しかし怒り感情そのものが過剰で、本人もまわりも困っている場合はそれに対処することも必要かもしれません。

対処は怒り感情そのものを止めるものではなく、それを適切に処理する方法を子どもが学ぶよう支援するものです。

①怒りのサインを教える


怒り感情は3つのサインを持っていることを子どもに伝えてください。つまり、身体のサイン、心のサイン、行動のサインです。


㋐身体のサイン:呼吸が浅くなる、心臓がドキドキする、汗ばむ、顔が赤くなる、身体が硬くなる、体が熱くなる、体が熱くなる、など。


㋑心のサイン:相手が憎らしくなる・消えてなくなれと思う・殴りたくなる・死んでしまえと思いたくなる、口をききたくなくなる、宿題(勉強)などするものかと思う、何かを殴りたくなる・蹴とばしたくなる、暴言を吐きたくなる、消えて無くなりたくなる、何もしたくなくなる、死にたくなる、など。


㋒行動のサイン:モノを殴る・蹴とばす、泣き叫ぶ、暴言を吐く、頭がクラクラする、自分や何かを噛みつく、走る、閉じこもる、など。

感情が興奮するとき、以上のどんなサインが起きるかを子どもと話し合ってください。親子でそれはいつ起こりやすいかを話し、想像してみてください。

②リラックス法を教える


㋐深呼吸する


㋑心の中でリラックスできる場面を想像する(波に上向きでゆらゆらと漂っている、など)。その他、子どもにいろいろリラックスできる場面を想像するよう話してください。


㋒身体の緊張を緩める方法を話してください。四肢から顔まで順番に一度筋肉に力を入れて(10秒くらい)その後、力を抜いてリラックスする練習をしてください。

これらは、心がカッとなり高ぶったときに使う手だてです。

最初はうまくいかないかもしれませんが、慣れると少しずつ心のコントロールができるようになります。

③セルフトークを教える


自分に言い聞かせます(「落ち着け」「最後は何とかなる」「頭を冷やせ」「深呼吸をしろ」「リラックスが大切」「自分は大丈夫」「あいつが自分を避けてもみんなが避けるわけでもない」「100点満点ではないが0点でもない」「これがうまくいかなくてもたまたま」「結果は不満でも努力は満点だ」


こうしたセルフトークの後、実際に行動するわけですが、感情を表現したり、親に抱きしめてもらったり、自分の心について親子で話し合うことになるかもしれません。

親子が対決するのではなく、共に楽になる、ウィン・ウィンの結果が目標です。

これら多くのものは小学校高学年(5~6年)以上の年齢の子どもでないと無理かもしれません。

幼児から小学校低学年の子どもへの対処は別の機会に述べます。

スクールカウンセラー 海塚敏郎