新しい環境、ヒト、モノに慣れる

新学期を迎えて新一年生のみならず、すべての生徒は新たな環境、人、モノに慣れるのに気を使っていると思います。先生、友だち、学習内容など、慣れるのに早い生徒、時間がかかる生徒がいると思います。

これは各子どもの個性とも関連している、多様性とも呼ばれることです。

生徒は学校環境、学習内容など自分に最も適した生活から最大の結果を得ますが、先にも述べましたが、個々の生徒に応じて少し時間をかけて見守る必要のある生徒もいます。

できれば焦らすこともなく、自分のペースで学校生活に適応させていきたいものです。

その過程で子どもは自分をよりよく知り、周囲も修正されていきます。
自分のリズムがうまく取れないとクラスや学習になじめず回避したり、逃避したりする場合も出てきます。

スクールカウンセラーをしていると、新しいクラスや仲間に溶け込むのに時間がかかり失敗を恐れ、不安になり登校を渋ったり、朝の登校準備に時間がかかる相談をよく受けます。

保護者もときにはイライラしていつもの対応ができなかったり、親子のバトルに発展することもあります。この結果、親子や家族関係がとげとげしくなって信頼関係が揺らぐこともあります。

しかし多くの場合、事態は深刻にならず元の関係に戻りますが、同時に一段アップした成熟した親子の繋がりが新たに生まれます。これは子どもの強力な成長力によるもので、時間と共に経験の積み重ねを通して学校への適応が進んでいきます。

子どものストレス耐性力への保護者の信頼が子どもの自己評価や自己肯定感を安定させ育てていきます

。励ますことも大切ですが、ポイントは子どものストレスを保護者が共有し、耐えやすいように緩和して子どもに戻していくのです。

結局、新学期は(新一年生の「小一問題」もそうですが)子どもにとっても保護者にとっても試練の時で、それは対応次第でプラスにもマイナスにも働くものだと思います。


繰り返しますが、基本は保護者が子どもを信頼することで乗り越えていくと思われます。
ただどうしても困り感や戸惑い感が続くようであれば、気軽に学校の教員や
スクールカウンセラー、外部の相談機関(広島市青少年総合相談センターなど)
放課後等デイサービスにご相談ください。

スクールカウンセラー 海塚敏郎