
子どもとのつき合い方(10)
今回は、子どもが自分の気持ちをコントロールして、親に従うことに
ついて話します。
毎日、親は子どもにいろいろな指示や、やってもらいたいことを話すと
思います。これらには「それを取って」と優しいものから「寝なさい」と
大切なものまでさまざまです。たいてい子どもはそれを無視せず
おとなしく聞いてくれますが、時にはそうでないこともあります。
それが常に起これば、<しつけ>という場面が出てきます。多くの場合、3 回に2 回はうまく従って
くれますが、1 回くらいは無視するかもしれません。
典型的なできごとについてお話ししましょう。家で子どもが素直に親の言うことに従ってくれない時、
親はどうするでしょうか?
おそらく、何度もくどくど言うか、大したことでもないとして諦めてそのままにするかの2 つのパターン
でしょう。そして後のパターンを壊すとすれば、親から何らかの手だてを講じることになります。
そもそも素直でないとは、親の主張に抵抗するか拒否するものと考えられます。ただ、それも3 つの
パターンに分けられます。
①完全に拒否する(無視してゲーム、YouTube、テレビを観続ける)
②部分的に<取引する>(親の言い分を聞くが従わない。「このゲームが終わってからでいい?」)
③抵抗する(親が「部屋を片付けなさい」と言うと、ぶつぶつ文句を言い、少しだけ形だけの片づけをする)。
これらのいずれの場合でも、素直でないことは親の出した指示に子どもが従わない時に起こりますが、
ここで指示の出し方に注意を向けてみてはどうでしょうか。指示の出し方には次のようないくつかの
パターンが考えられます。
㋐あいまいな指示(「早くして」「ちゃんとして」)
㋑質問型(「そんなにゆっくりして大丈夫なの?」)
㋒論理的(「約束に遅れるから、早くして」)
㋓複数指示(「明日の学校の準備して、部屋を片付けて、手を洗って、食堂に来てちょうだい」)
㋔反復指示(同じ指示を何度も繰り返す)
㋕特定の一つの指示(「今、テレビを切って」)。
すでにお分かりのように、㋐~㋔までは素直でない子どもには有効な指示の出し方ではありません。
有効でないからすべきではないということではなく、あくまでも最適解ではないということです。
㋐は子どもに何をしたらいいか、何を望まれているかがよくわかりません。
㋑は指示に従うべきかどうかその選択は子どもに任されていると思うかもしれません。
㋒指示はひとまず棚に上げて、その指示の理由とか適切さについて子どもは口ごたえを始めるかも
しれません。
㋓多すぎる指示は子どもによっては混乱するかもしれません。
㋔は、最初に出した指示が耳だこになり、どうでもいいようになるかもしれません。これらとは反対に、
㋕は子どもに正確な親の気持ちを伝えますし、1 回限りの指示が最も有効です。この時、子どもと
目をしっかり合わせ、ゆっくりとはっきりした間合いで少し大きめの声で伝えることです。そして、
あなたの指示が守られた時には、ほめてください。
スクールカウンセラー 海塚敏郎
