今回は子どもの成長・発達を見守り、関わり、支援していく中で青年中期(高等学校)について考えてみます。
青年中期(高等学校)は、親の保護のもとから、社会へ参画し貢献する、自立した大人となるための最終的な 移行時期です。
思春期の混乱から脱しつつ、大人の社会を展望するようになり、大人の社会でどのように 生きるのかという課題に対して、真剣に模索する時期になります。
16 歳~ 18 歳の高校生年齢に差し掛かった際には、社会に出た時のことを想定して「何がしたいのか・ 何ができるのか・何ができないのか」を把握していく必要があります。発達障害のあるお子さんは自身の ことを客観的に捉えることが苦手です。
自身が肯定的に自己理解を深め、特性にあった将来像を描けるよう 働きかけていくことが大切です。
一方で、お子さん自身の自立心の芽生えもあり、これまでのようには大人の言うことを聞かなくなり、 ヤキモキすることが増えていくかもしれません。
保護者の方が親心でご本人へのサポートを強めようとすればするほど、お互いのストレスが高まっていきます。 地域にはたくさんの支援機関があり、保護者の方がすべてを背負う必要はありません。
直接的に働きかける だけでなく、ご本人が信頼できる “ 頼れる第三者 ” に繋げることを意識し活用していきましょう。
この時期の本人は、大人社会の直前の準備時期であるにもかかわらず、自らの将来を真剣に考えることを 放棄したり、目の前の楽しさだけを追い求める刹那主義的な傾向がみられることがあります。
これらを踏まえて、青年中期の子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられます。
・人間としての在り方、生き方を踏まえ、自らの個性・適性を伸ばしつつ、生き方について考え、主体的な 選択と進路の決定
・他者の善意や支えへの感謝の気持ちとそれにこたえること
・社会の一員としての自覚を持った行動
株式会社ベルアージュ 就労生活支援事業部 エリアマネジャー 兼
発達支援事業部 東広島エリアマネジャー
宇田 辰彦