ライフスキルをどこまで教えるべきか、について考えてみましょう。
まずは、子どもが20歳になる日のことをやや理想的にイメージしてみましょう。
どんな生活をしているのか、親元にいるのか、一人暮らしなのか、学生なのか、働いているのかなど具体的に考えてみましょう。
子ども本人の考えを聞いてみるのもいいですね。
そのイメージができたら、そこから大人になったときにどのようなライフスキルが必要かを考えてみます。
買い物や洗濯、掃除、食事作りなど具体的に挙げて、大人になって必要になるライフスキルのうち、すでにできていること、今のままでは不足しそうなものを把握します。
明らかに不足していて、今のままではスキルが伸びそうでないところがその子の重要な課題になる事がありますし支援が必要な部分かもしれません。
診断によって親御さんからこんなことをよく聞きます。
ASD:「いつも同じ服を着たがる」「髪や体をきちんと洗わない」「放っておくと食べ過ぎる」「休み時間に孤立している」「放課後は部屋にこもっている」
ADHD:「服装の乱れが気にならない」「動作が雑」「部屋が散らかる」「物をなくす」「忘れ物が多い」「お金をすぐに使ってしまう」「時間を守れない」
SLD(LD):「勉強に自信がない」「進路をまじめに考えない」「お金の計算を間違える」「学校を軽視する」「大事なプリントを読み飛ばす」
などがありますが、注意したいのは同じ診断名でも子どもによって不足するスキルは異なる、ということです。その子に合わせたニーズを読み取ることが重要です。
繰り返しになりますが、ライフスキルは人に合わせるものではありません。
子どもの生活や人生のためのスキルです。
基本的にはその子のためのものであり、人に合わせることが重要なわけではありません。
介護福祉の資格スクール・ホリスケアアカデミー
同行援護・強度行動障害支援者養成研修講師 宇田 辰彦