利用者様とのコミュニケーションは非常に難しく繊細なものであると常々感じています。そんな私がこれだけは、と常日頃から胸に留めていることをお話ししたいと思います。それは、年少の利用者様と年長の利用者様でのコミュニケーションの仕方についてです。年少の利用者様は他に幼いごきょうだいがいたりすると、家で存分に甘えられず寂しい思いをしている子も少なくありません。対して年長の利用者様は思春期真っ只中、大人になりたいような子どものままでいたいような、甘えたい時もあれば反抗したい時もある…そんな複雑な時期です。 話を戻しまして…確かに年少・年長の利用者様に対するコミュニケーションの基本姿勢や重なっている部分は多くありますが利用者様の発達に合わせたコミュニケーションを行うのが適切だと思っています。なかなか甘えることができていない年少の利用者様には無理に言葉を交わさずともごっこ遊びなどの中から伝えたいことや今不足しているものが見えてきます。感覚過敏などがなければ、寂しい/不安なんだなあと感じれば背中を撫でるなどのスキンシップで安心感を与えることができると思います。一方年長の利用者様は可能であれば言語でのコミュニケーションを行うのも良いと思います。自分の気持ちを言葉にできるとその気持ちを冷静に俯瞰することができます。そこから自分で解決策の糸口を掴んだら寄り添って一緒に考えてみるのも、『支えあい』という大きな経験にもなるでしょう。またこちらからも、以前は自分の気持ちを伝えるのが難しかったけど最近は上手になってきたよねとフィードバックすることで彼らの自信に繋がると思われます。
ベルアージュ 公認心理師 中富 萌花