「自由」は「不自由」?
子育てをしていると「たまには自由な時間が欲しい」と思われる方は少なくないと思います。「のんびりしたい」「あれもしたい、これをしたい」といろいろ思うものですね。
突然ですがここで「自由に過ごす」ことについて考えてみたいと思います。
みなさんは「自由な時間」があったらどうしますか?
ある人は映画を観に行くかもしれませんし、ある人は友達同士で出かけるかもしれません。ある人は本を読み、ある人はゲームをして過ごすかもしれません。
こう考えると自由に過ごすということは、当たり前ではありますが、とてもよいことですね。
私は「自由な時間」を有効に使うためには「経験」と「準備」が必要ではないかと考えます。例えば、これまで経験した「楽しかったこと」がたくさんあれば自由時間を過ごすための「引き出し」がたくさんあるということです。
そして、来るべき自由時間のためにどの引き出しから何をとりだすかを準備する、いわゆる「計画」を立てることで充実した「自由時間」を過ごすことが出来るのではないでしょうか?
ここで発達障害がある子どもたちについて話を向けてみます。
発達障害のある子ども(大人も)たちの多くは、時間を計画的に使うことが得意ではありません。
さらに自らイメージを広げるということが難しい特性もあります。そのため、「自由な時間」を過ごすための引き出しを自ら作ることが難しく、どのように過ごしたらよいかわからないという問題が起きてしまいます。そうなると「ただただ、うろうろする」「走り回る」「同じことを繰り返す」行動が見られたり、子どもによっては大人の注意をひく行動を繰り返すこともあります。これらの行動は好ましい行動とはとらえられず、注意されることにつながります。
幼児さんの療育中にもプレイエリアでの自由時間よりも先生とお勉強や一人でお勉強を好むお子さんが少なくありません。つまり、「自由」に困っていて不自由になっているということです。
ただし、自由時間を全く過ごすことが出来ないわけではありません。子どもが理解できる活動を用意する、興味のあることをリサーチする、それを計画的に自由時間に計画的に配置することで上手に過ごすことが出来ます。まずは、大人がそのシナリオを描いて子どもたちに演じてもらう。そのシナリオが「楽しい」という経験と学習につながることで、少しずつ自分で部分的にシナリオを描けるようになります。
ここで注意しなくてはいけないのは、大人がやらせたいことではなく、子どもの理解と興味に合わせたものを用意するということです。
そのためには「できること」を増やすのではなく、「興味があること」をみつける、自由時間を過ごすための「引き出し」を一緒に作ることが大切だと考えます。
わたしたちも、自由が本当に楽しいものであるようにお手伝いしたいものです。
子どもの興味があることの見つけ方として、以下を意識してみるといいかもしれません。
① 興味関心があることはしっかり時間をとって付き合う。そこに保護者や大人の価値観での評価はしない(他者から見て意味の分からない物への興味が強いことがあるため)
② 興味のあることから別の気づきが見えた時は「いい気づきだね」と共感する(否定や反対はしない)もちろん不適切なものは別です。
株式会社ベルアージュ ReadyGO黒瀬 児童発達支援管理責任者 社会福祉士
梶川 繁