
子どもとのつき合い方(7)
これまで述べたことと重なるかもしれませんが、お母さんたちとの話からいつも感じることが
あります。
それは親子関係、特に母子関係は子どもにとって非常に大切なことだということです。
今から50 年以上前にアメリカの精神科医たちが30 年以上にわたって調査した結果が発表され
ました。
彼らは133 名の生後3 か月の赤ん坊が31 歳になるまで継続的に調査しました。
そこから、人は乳幼児から個人差のある行動特性があることを結論しました。
後にそれは気質として理解されるようになりました。
気質は生得的※な特性ですが生涯変わらないのではなく、育児やその他の生活環境の影響を受け発達と共に変化していくと考えられます。
その気質は全部で九つ明らかにされましたが、特に「落ち着いている、ほがらか等の気分」「積極的に周囲に反応する、慎重等の周囲への態度」「喜怒哀楽などの感情の強さ」「新しい環境への順応性」「生活リズムの身につきやすさ」の特性が手のかかる子ども、手のかからない子ども、ゆっくり育つ子どもに分けられるとしました。
もちろんその程度はさまざまであり、生活環境で時間と共に変化していくものです。
確かに、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもを育てている保護者さんから、育てるのが難しい、戸惑う、これまでの育児経験があまり役に立たないという声はよく聞きます。
それも年齢とともに変わっていきます。
育児で最近は母子関係への注目、特にその相互性が重視されています。
子どもは母子関係の一方の当事者であり、子どもの在り方(特性)が親の育児に影響を与えることになります。
それに母親も特性だけでなくさまざまな経験を持っているため、
実際の育てやすさや育てにくさは簡単には理解しにくくなります。
※生得的(せいとくてき)・・・後天的な学習や経験によるものではなく、
生まれつき備わっている性質や能力のことです。
スクールカウンセラー 海塚敏郎
