
怒りのコントロール
学校で育てるのは学力だけではありません。そこでは心の成長も育みます。これを情緒的能力と呼びます。
ここでは、情緒的能力を自分の心の調整する(怒りをコントロールする)力として考えます。では家庭で子どもの情緒的能力を促すには、どのように役割を果たしたらいいのでしょうか。
子どもに自分の心を調整することを育てるにはいくつかの方法が考えられます。怒りはコントロールするのに最も難しい感情であるとともに、積極性などを支えるプラスの原動力にもなるために、丁寧に対応する必要があります。例えば以下のスキルはこれまで怒りのコントロールを育てる方法としてよく言われてきたことで、子どもに教えることは可能だと思います。
①深い呼吸:ゆっくりした深い呼吸は体の緊張を鎮め、行動を抑制します。
②筋肉のリラクセーション:筋肉を絞ったり緩めたりすることで体の緊張を低下させます。
③視覚化:怒りの思考・感情を幸せな光景イメージに置き換えます。
④思考の停止:怒りの思考・感情を停止することを心の中で行います。
⑤思考・感情の置き換え:心の中で楽しい落ち着いた思考に注力します。
⑥思考・感情を見つめる:心の中で怒りの思考・感情をしっかり味わい、見つめます。
⑦カウントダウンの実行:怒りの思考・感情を停止するために心の中で20から0までカウントダウンします。
⑧気を紛らわす:楽しい活動で気を紛らわします。
⑨記録する:怒りの思考・感情を表情絵や文字で表します。
➉話す:誰かに怒りの思考・感情を話します。
⑪身体活動:走る、ボールを投げる、モノを殴るなどの身体活動によって怒りを発散します。
これらのスキルはこれまでもよく知られた生活の知恵として日常的に活用されてきました。
そしてこれらは親にも有効ですが、子どもにはもっと有効だと思います。
もし子どもが自分の怒りなどの激しい感情に圧倒されて苦労しているのを見るとき、活用できるのではないでしょうか。
スクールカウンセラー 海塚敏郎