前号では、ライフスキルを構成する10 の能力要素を相互補完する3 つのペアをご紹介しました。
今回は残りの2 つについてご説明します。
領域4 : 自己意識 ⇔ 共感性
領域4を構成する自己意識と共感性のうち、前者は意味としては自己理解と表現しても良いもので、
自分の性格や自分の長所と弱点、そして、したいことや嫌なことを認識することとなります。
また、共感性があれば、自分とは全く異なった人を理解し、受け入れることが可能になるといわれます。
領域5 : 情動への対処 ⇔ ストレスへの対処
最後の領域5は、精神的健康を維持・増進するための能力要素となります。
一つは自分や他者の情動を認識し、その情動が行動にどのような影響を及ぼすかを知り、
情動に適切に対処する能力のことです。
もう一方は日々の生活におけるストレス源(ストレッサー)を認識し、ストレスの
心身への影響を知り、ストレスのレベルをコントロールする能力となります。
<おわりに>ライフスキルを必要としているのは子どもだけではありません。子どもから大人まで、
私たちは日々の生活の中で実に多くの問題や課題に遭遇し、それへの対処を求められています。
これら一つひとつの課題を避けて通ったり、そこから逃げたりするのではなく、正面から受け止め、
乗り越えることを促す能力がライフスキルであると理解することができます。
宇田 辰彦