今回は子どもの成長・発達を見守り、関わり、支援していく中で学童期(高学年)について考えてみましょう。
9 歳以降の小学校高学年の時期には、物事をある程度対象化して認識することができるようになり、
対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追究が可能となります。
自分のことも客観的にとらえられるようになる一方、発達の個人差も顕著になっていきます(いわゆる「9 歳の壁」)。
身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、
自己に対する肯定的な意識を持てず、自尊感情の低下などにより劣等感を持ちやすくなる時期でもある。
また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり遊びなどでは自分たちで決まりを作り、
ルールを守るようになる時期です。
その一方、ギャングエイジとも言われ、閉鎖的な子どもの仲間集団が
発生し、付和雷同的な行動が見られる場合もあります。
これらを踏まえて、小学校高学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、
以下があげられます。
・抽象的な思考の次元への適応や他者の視点に対する理解
・自己肯定感の育成
・自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
・集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
・体験活動の実施など実社会への興味・関心を持つきっかけづくり
株式会社ベルアージュ 就労生活支援事業部 エリアマネジャー 兼
発達支援事業部 東広島エリアマネジャー
宇田 辰彦