~リハビリテーション(学習)の現状~
ここで取り組んでいる「学習支援」は、言語聴覚障害の範疇である場合も多く、リハビリテーションと
二分されるものではなく「リハビリテーション」の一部分であると捉えています。


現在、メンバーは小学校低学年から中学生でローテーションを組んでいます。
環境はにじのいえの別棟で、1 階がメインの訓練・学習室と2 階はサブの訓練・学習室と事務室があり、
メンバーによって使用する部屋を調整しています。検査や訓練、学習を行う場所として適度な広さと
静かさを備えています。


子どもたちの「読み・書き」「聞く・話す」「計算する・推論する」といった能力を評価していく上で
学校の宿題や課題は非常に参考になります。

中には文章のプランや必要な知識を検索しながら書く作文や
テーマに沿った日記をつける宿題などもあります。なお、学習は自立して学習などに取り組める態度や
習慣、スキルを身につけてもらいたいなどの理由で、学校の宿題・課題の実施は原則的に優先しています。


宿題以外の教材も参考書や問題集、語彙拡大や漢字学習のためのソフトウェアー、各教科のプリント類、
大型絵本など十分ではありませんが用意しています。


評価ツールは、理解している語彙がどれくらいあるかを目的としている絵画語彙発達検査(PVT)、
包括的領域別読み能力検査(CARD)のほか、新たに読み書きアセスメントに検査を行っています。


この検査の特徴は小学校1 年生から中学校3 年生までの学年別で構成されており、小学生は「読み書きの
基礎スキル」「漢字の読み書き」「漢字の書きの基礎スキル」「読解スキル」「認知スキル」の項目があり、学年によって実施する項目と課題内容が異なります。中学生は「文章読解」「情報の読み取りと活用」
「平仮名の読み」「漢字の読み書き」「視・聴覚記憶」「英単語の綴り」の項目で各課題を調べていきます。
結果は各課題を4 段階で評価し、良好な下位項目からそうでない下位項目が分かります。


また、認知機能(聴覚的あるいは視覚的短期記憶や聴覚的ワーキングメモリ)の特徴もある程度把握して、
アプローチのポイントを明確にできると考えております。
次回はリハビリテーション(学習)の課題や展望についてお伝えする予定です。

ベルアージュ 言語聴覚士 正原 勇治