
子どもの心身発達の基礎となる行動について
子どもの情緒・社会性、学習の発達を支える基本的な行動は次のような特徴を備えています。
1活動・行動の計画を立てる力 2自分の過去の経験(楽しかったこと、腹が立ったことなど)を整理整頓する力 3後どれくらい時間が残っているか、制限時間内で課題をやり遂げるにはどうしたらいいかを予測する (時間経過を意識する)力 4自分自身の振る舞いや結果を振り返り、それを今後の課題の解決に活かす力
これらの力は発達とともにすべての子どもが身に着けていくものですが、この過程では「自分の行動を コントロールする」「自分の感情をコントロールする」力が育っていくことになります。
例えば、自分の行動を見直す、行動を途中で取りやめる、自分の衝動を制御する等です。
私の専門である 発達障害(ASD,ADHD)のある子どもの療育ではこうした力を育てることをポイントにしています。 つぎに関連する力について説明します。第一に記憶する力です。
例えば、心の内に「生活の中で起こった できごとを留め置く経験」です。
これには過去に家庭で起こったこと、学校で経験したことを思い出す 遊びをします(多くは楽しかった事、うまくいった事に限定します。
できればいわゆる5W1Hを会話に 利用します)。家族で思い出を共有しやすくできるように家族の画像や音声の記録も使います。
第二に 心に留めた出来事をイメージとして遠くに置いたり近くに置いたり、いくつかの出来事を組み合わせたり します。いずれも自分の心の内で記憶し、扱う体験であることが大切です。
自分を評価したり、他人の 立場になったり、人間関係を評価したりする力を育てていきます。
スクールカウンセラー 海塚敏郎