わが子とうまくいかなくなったときに思い出してください
普段は親子で楽しく過ごされていると思いますが、ときどきうまくいかなくなることもあるでしょう。
その時の参考にしてください。
スクールカウンセラーをしていて何度となく経験することがあります。
おそらく、比較的大切なことであると 同時に、難しいことであるのかもしれません。
それは、自分の子どもとうまく付き合うこと、楽しいと思う 体験をすることができないとき、どうしたら良いかということです。
私自身、親として反省もしていること ですが、自分と子どもとは別人格だということを忘れる時があります。特に大切な場面では、自分の思い通りに ならなくても仕方がない、自分の希望や思いと子どものものは必ずしも一致しない。その上で自分の子どもと うまくやるにはどうしたらいいか、と悩みます。
以下、その時の対応です。
まず第一に大切だと思われることは、子どもとの心理的な距離の取り方です。
特に小学校 4 年生頃から以降は 大切です。それは発達的にこの頃から子どもの心が自立に向けて大きく育つために捉えにくくなり、時に イライラ感が募ることが増えてきます。しかしこれは成長に伴うもので、むしろ当然のことです。
私はご夫婦の 面談をすることも少なくないのですが、小学校高学年頃からは親子だけでなく、家族(特にご夫婦)の コミュニケーションが大切だと思う場合が多いのです。
例えば学校でのトラブル(仲間関係や学習関係)があっても、 ご両親のコミュニケーションの様子からある程度の予想がつくこともあります。不登校について言えば、 登校渋りや欠席がわが子に現れても大騒ぎすることはありません。
子どもたちは決して学校が嫌になったわけ ではなく(はっきりしたいじめや差別は別ですがこれはまたの機会にご説明します)、むしろ心の中では登校 したい、皆と遊びたい、学びたいと思っています。ただ、いろいろな理由から少し心が弱っているのです(ここ ではそれは詮索しません。詮索しても子どもの心のもやもやは無くならないからです)。
ですからやんわりと 子どもの背中を押しながら、無理なら子どもの心に耳を傾けてみてください(子どもの心は上に述べた通り ですから、あわてる必要はありません)。ポイントは、子どもに安全・安心を伝えることです。
詰問口調で 理由を詮索したり不安にさせたりせず、子どもの心に寄り添う気持ちで親はあまり喋らず、子どもからの 言葉や表情などのメッセージを受け止め、それを伝え返します。このときの内容は学校や勉強に関わるもの とは限りません。すべて子どもにまかせます。子どもの心に注目するのです。
第二に大切なことは、自分の今の目線に加えて、自分や子ども、家族全体を眺め渡す目線(例えれば、舞台の 上で演じている自分や家族を観客席から観ている自分の第二の目線)を大切にすることです。
私自身うまく いかないと、あわてたり、いらついたり、感情的になったりするとこの第二の目線を忘れて袋小路に入って しまうことがありますが,その時はこの第二の自分の目線を意識します。
今日はここまでです。次回はわが子との<スペシャル・タイム>についてお話しします。これは、どうして もわが子とうまくやれなくなったときのもう一つの方法です。
スクールカウンセラー 海塚敏郎