
自己肯定感について
自己肯定感とは自分に対する肯定的な評価です。
この自己肯定感に関連する体験として重要だと考えられているものがあります。
つまり、思う存分やった体験、うまくいった体験、自分で決める験、仲間からの励まし、自分に対する心の中での言い聞かせ、などです。
その中でも特に注目すべきことは、自分の行動は自分の意思でやっているという自律の感覚です(自己制御感とも言います)。
自分の意思で行動しようとする、トライすることは成功すれば強力な自信となるし、失敗しても自己責任として反省につながります。
成功の見込みが薄い場合は自分の意思で止めることができるということは非常に大切です。
すぐに諦めて欲しくないという親の希望もありますが、他人(親や先生)に相談しても最後に決めるのは自分だという心の成長を支援することがポイントです。
これは小学校高学年から始まる思春期の心の成長です。
それを周りの大人は支援するわけです。
しかし、この自分で決め、行動する心を子どもが持つようになるために、もう一つ大事なことがあります。それは幼い時の母親(養育者)との間に密接な愛情関係を体験するということです。
子どもの自律心の底には基本的な依存感、信頼感が育っている必要があります。
最近よくニュースになる幼児虐待。たとえば心理的虐待や無視はまさにこの真逆にあります。子どもの心にあるのは、母親(養育者)はいつも自分の味方で応援していてくれる、それは決して裏切られるものではないという確信でしょう。
そして、その後に、自分と母親(養育者)との心の間にすきま風が吹くようになり、一人歩きが始まります。
それも、小学校、中学校、高等学校と徐々に進みます。
スクールカウンセラー 海塚敏郎
